落書き
自分の意思で自らの命を終わらせることに対して、きれいな割り切り方には一向に辿り着けず、頼った先が元ルティアナの依代であるところの彼女だった。
なぜ君は自分の運命が至る場所を知りながら、真っ直ぐそこに向かっていけたのか。アストルティアの海で見せた涙は君の本当の気持ちではなかったか。光の河に飛び込む直前に振り向き、緩やかに微笑んだ確固たる眼差しからは後悔など微塵も感じ取れなくて、その強さには何度思い返しても手が届く気がしないのだ。
甘ったれた戯言しか出てこない唇を噛み、それでも一縷の望みをもってイルーシャの返答を待つ。
永遠のような一瞬が不意に溶け、彼女の唇から「ああ」と細い吐息が漏れた。イルーシャはゆっくりと胸元に両手を重ね、長い睫毛を二、三度瞬かせてから、こちらを見た。
「⋯⋯あなたはあのとき、きっとずっとこんな気持ちでいたのね」